Published 3 Jun 2024
日本は海運業界の脱炭素化を推進する上で極めて重要な役割を果たしており、Accelleronは先日BEMAC、古野電気、マキタという日本の大手企業3社とのコラボレーションを発表しました。
日本は、主要な造船国としてだけでなく、イノベーションの推進者としても海運業界で影響力の大きい国の一つとしての地位を固めています。国をあげて代替燃料と脱炭素化を推進する動きに伴い多くの企業がさらなる効率化を目指しており、Accelleron はそれをサポートしています。
過給機は効率がすべてです。自然吸気エンジンと比較してエンジンの出力を高めることができ、その結果、燃料消費量やその他の排出量の大幅な削減が期待されます。Accellon は、IHI との合弁会社 Turbo Systems United を通じて、日本のマーケットにさらなる高効率が期待できる製品やソリューションを提供しており、これにはデータに基づいた意思決定をサポートすることで脱炭素化に貢献できるデジタルソリューションも含まれます。
ここ数か月の間に、Accelleronは日本企業数社とのパートナーシップや契約も発表しています。
デジタルソリューションの導入促進
Accellon の最新のパートナーシップ発表では、日本の海事データ プラットフォーム プロバイダーである BEMAC とTurbo Systems Unitedとの契約が発表されました。
この契約の一環として、Accelleron のデジタル最適化ソリューションやデータ対応サービス契約に必要なデータ収集と連携が自動で BEMAC の MaSSA-One プラットフォームとAccelleronのプラットフォーム内で行われ、シームレスな接続が実現します。
これにより、Tekomar XPERT や Turbo Insights などのデジタル ソリューションの導入が促進され、顧客はデータ主導のパフォーマンス向上とコスト削減をより簡単に利用できるようになります。
BEMAC株式会社の執行役員、デバイス&コミュニケーションセグメント長 寺田 秀行氏 は次のように述べています。
「当社の役目は船舶データ有効活用のために安定した船舶IoT基盤を運用していくことです。標準化されたインフラと、Accelleronのデジタルソリューションを組み合わせることで、当社が目指す、決して止まらない船の実現に一歩近づいたと感じています。」
過給機とエンジン最適化ソリューションへのアクセスを簡素化
Accelleron社は先月、古野電気とTurbo Systems Unitedとのパートナーシップも発表しており、両社は過給機やエンジンの最適化ソリューション、デジタル対応サービスへのアクセスを簡素化するために協力しています。
古野電気は、海洋レーダーシステムの供給において主導的地位を占めており、世界の商船フリートで40%以上の市場シェアを獲得しているほか、他のさまざまな電子機器も納入しています。このデジタル分野の協業に関わる覚書に基づき、IoTプラットフォーム(FOP : Furuno Open Platform) へのシームレスな接続を通じてデータのAccelleron デジタルソリューションの展開が可能となります。
Accelleron の日本の合弁会社 Turbo Systems United の代表取締役副社長兼過給機本体販売部長の若狭 義雅氏は次のように述べています。
「Accelleron のデジタルソリューションと古野電気のFOPとの相乗効果により、脱炭素化やオペレーションの効率の向上等、両社のお客さまにデータのもつ大きな価値を感じていただけることでしょう。この契約により古野電気株式会社さんとの協業を強化できることを嬉しく思います。」
Sea Japan 2024にて古野電気の皆様と撮影
より強力なエンジン性能をサポート
海運業界におけるAccelleronの日本企業へのサポートはデジタルソリューションだけではありません。Accelleronは、排気ガス再循環(EGR)を備えたマキタ初の小口径2ストローク船舶用エンジンに過給機を供給しています。
株式会社マキタ(本社・高松市)は1万トンから4万トンクラスの船舶用の船舶用エンジンを製造しており、世界でも有数の小口径2ストローク舶用エンジンメーカーです。Accelleronはマキタ製エンジンの高効率化をサポートしています。
マキタが製造する世界初号機エンジン6G45ME-C9.7-EGRBPは、Tier III規制対応としてEGR バイパスを搭載しており、エンジン負荷に合わせて EGR 率を調整し、要求される NOx 排出量削減を実現します。
EGR バイパスの適用には優れた過給機効率を必要とします。A255-Lは6G45ME-C9.7-EGRBPが比較的低出力の状態においても Tier III NOx 排出規制要求を満たし、燃料消費量削減の向上、ひいては温室効果ガス排出量の削減に貢献しています。
企業の効率化を支援する
日本はすでに代替燃料の導入と脱炭素化に向けて大きな前進を遂げています。Accelleronと、BEMACや古野電気、マキタとの協働はさらに大きな違いを生み出し、海運会社の効率化に貢献するでしょう。
other articles