ほとんど一般の方の目に触れることはありませんが、過給機(ターボチャージャー)は船舶用エンジンにとって必要不可欠な装置の一つです。
その役割や仕組みについてご説明します。
過給機はエンジンに圧縮空気を送り込む装置です。
機関から排出される排気ガスエネルギーをタービンで回転エネルギーに変換し、そのトルクを同軸上にあるコンプレッサに伝え、コンプレッサが高速回転することによって吸入した空気を強制的にエンジンのシリンダ内に送り込みます。
過給機を搭載することで、より多くの空気をエンジンのシリンダ内に送り込むことができるため、同じサイズの機関に対し、より高出力を達成することが可能です。
つまり、同じ機関出力で比較して、機関の重量、容積を軽減することが可能です。船舶用機関におけるエンジン効率向上により燃費低減に寄与し、また機関側の種々のチューニングとの組み合わせにより、排出ガス削減効果も得られます。
過給機の基本レイアウトは、コンプレッサとタービン、それらをつなぐ軸により構成されていますが、それらの位置、空気・ガスの流入方向、軸を保持する軸受の搭載位置によって、様々なレイアウトがあります。
現在では、よりコンパクト、高効率、高信頼性の観点から、コンプレッサとタービンの間に軸受を配置した中間支持形過給機となっており、大きく次の2種類となっています。