By Fabian Schönbächler - Published 10 Apr 2020
過給機はエンジンの出力と効率を向上させる装置であり、高い信頼性をもって低燃費を実現するためには、メンテナンス状態を良好に保つことが不可欠です。それには以下にご紹介するように、操作マニュアルに記載されているメンテナンスとクリーニングの推奨事項を守ることが大切です。
フィルターサイレンサーの圧力が下がっていないかは、過給機前方に設置してあるU字管圧力計で確認できます。200mm H2Oを超える圧力低下が見られる場合は、放置するとパフォーマンスが低下したり、サージングが発生したりする可能性があるため、フィルターマットを清掃または交換することをお勧めします。
潤滑油の供給は、過給機にとってもエンジンにとっても重要です。Accelleron過給機は潤滑油油圧と潤滑油油温にある程度の動作許容範囲を設けていますが、油圧が急激に変化した場合は、フィルター汚れやオイル漏れなどの問題があることを示している可能性があります。大量にオイルが漏れている場合、オイルが高温部に流れて発火する可能性もあります。エンジンルームでの火災を防ぐために、オイル漏れを止めることが最も重要です。
通常の動作中に油温の上昇が見られた場合は、負荷の増加やベアリング内の摩擦、またはオイルドレンの詰まりの可能性があります。いずれの場合も、状況に応じてエンジンを停止し、過給機前後の潤滑システムを確認することをお勧めします。
過給機を潤滑油油圧が低い状態または汚れたオイルで長時間作動させたと思われる場合は、Accelleronサービスステーションに連絡して、次の点検時にベアリングの状態を確認してください。
通常よりも高い排気ガス温度が検出された場合は、タービン/コンプレッサーの汚れまたはフィルターサイレンサーのマットの詰まり等で、エンジンへの空気供給が不十分である可能性があります。その場合はAccelleronの取扱説明書に従って清掃することで簡単に改善する場合があります。
それでも問題が改善しない場合、原因は排気ダクト内の給気冷却器やエコノマイザの汚れ、場合によっては、エンジンの噴射システムの誤動作にまで及ぶ可能性があります。
始動時に過給機自体が振動する場合、ローターがアンバランスになっているかもしれません。アンバランスは汚れや異物による損傷によって起きることがあります。振動が大きすぎる場合は、運転中の通常の清掃では解決できません。この場合は、エンジンを停止してAccelleronサービスステーションに連絡してください。
回転数の低下や増加の原因は、タービンの汚れかもしれません。Accelleronの指示に従って洗浄しても問題が解決しない場合は、ガス配管の漏れ、給気ダクト、または過給機のローターの損傷が原因である可能性もあります。
異音がする場合、過給機がサージ限界近くで動作しているかもしれません。サージングが起きると、破裂音や断続的な異音が発生します。運転中など、エンジンの負荷が急速に低下すると、単発的に発生する可能性があります。
もしサージングが定期的または継続的に発生するような場合は、ゆっくりと速度を下げてエンジンを停止させてください。サージング中に作用する力がコンプレッサーやベアリングに損傷を与える可能性があるため、Accelleronサービスステーションで過給機の点検を行ってください。
過給機の汚れは問題を引き起こしたり、エンジンのパフォーマンスに悪影響を与えたりする可能性があるため、過給機の操作マニュアルにある清掃スケジュールを守ることが重要です。
操作マニュアルのガイダンスに従っても問題を解決できない場合には、お近くのAccelleronサービスステーションにご連絡ください。私たちが解決のお手伝いをいたします。
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代替燃料の導入や脱炭素化に向けて多くの企業が取り組みを進めています。Accelleronも各社とのコラボレーションを通じてそれをサポートしています。